不動産執行(開始決定までの流れ)

 今回は、「競売の基本シリーズ」引き続きまして「不動産執行(開始決定に至るまでの流れ)」について配信したいと思っております。

 今回より何回かに分けて不動産執行の手続きを配信したいと思います。競売物件が私たちのところに入ってくる情報までにどのような手続きがされているのか?それを順を追って書かせていただきたいなと思っています。

 それでは、はじめに不動産執行の手続きのご説明をさせていただく前に強制執行手続と担保権の実行手続について書かせていただきます。簡単に言いますと、強制執行手続は「判決等債務名義によるもの」で、担保権の実行手続は「抵当権等担保権によるもの」ということとなります。では、具体的にはどのようなことでしょうか?

 強制執行手続というものは、裁判により勝訴判決を得たり、和解が成立したにも関わらずお金の支払い、建物の明け渡しなどをしてくれない場合に、債権者の申立てに基づいて債務者に対して差押等の手続をすることをいいます。

それに対して、担保権の実行手続とは債権者が債務者の財産について抵当権などの担保権を有しているときに、担保権を裁判の判決による強制執行を受けてその担保を売却し、そこで得た金額を弁済にあてる手続きとなります。この場合、判決などの債務名義は不要であり、担保権が登記されている登記簿謄本などが提出されれば、裁判所は手続を開始することとなりますので、居住者がいる状態で競売に出されていることもあります。

 このように、強制執行手続と担保権の実行手続を比較すると,債務名義を必要とするか否かの違いとわかります。申立て後の手続はほとんど同じとなるため、上記の理解で問題はありません。ちなみに、不動産執行の申立ては書面でしなければならず申立ては目的不動産の所在地を管轄する地方裁判所となります。

 

そして、申立てが適法にされていると認められた場合には、不動産執行を始める旨及び目的不動産を差し押さえる旨を宣言する開始決定を行います。開始決定がされると、裁判所書記官が,管轄法務局に対して目的不動産の登記簿に「差押」の登記をするように嘱託をするとともに債務者及び所有者に開始決定正本を送達することとなります。この開始決定正本の送達は「特別送達」という裁判所からの訴状など、民事訴訟法により送達すべき書類や内容が決められている送達方法で通知がいきます。この特別送達は、正当な理由なく受取拒否はできないこととなっています。

開始決定までの流れは以上となります。いかがでしょうか?まだ、競売のスタートラインにも入っていませんね。実務上関わってくることはないかもしれませんが、理解していても損はないですね!また、次回開始決定からどのような流れで進んでいくのか書きたいと思います。

今後とも何卒宜しくお願い致します!